①に続きまして、さっそく各映画のご紹介を…!
『生きる』志村喬
こちらも言わずもがなの黒澤明の名作中の名作。イギリスではカズオ・イシグロ脚本、ビル・ナイ主演でリメイクされ、アカデミー賞にもノミネートされました。日本では2007年に松本幸四郎(現在の松本白鸚)さん主演でドラマ化されましたね。
平凡な市役所職員が胃がんに侵され、余命宣告を受ける。命の残りが少ないと知り、これまでの自分の人生に思いを馳せます。そんな時に、今までの自分だったら目に止めなかったであろう、ある市民から出された陳情書に目を通すことになるのです。最後の命の灯火をどう使うのか。人が生きるということの意味を問いかける作品です。とにかく志村喬さんの演技が終始圧巻、見事。本当に市役所の平凡な職員の人生の最後を共に過ごしたような‥そんな心持ちになる作品です。
『歩いても 歩いても』樹木希林
こちらも名作ぞろいの是枝裕和監督作の一本。とある夏の終わりの一日、高齢の両親の元に子どもたちが家族を連れて帰ってきます。息子と父親、嫁姑の関係はそれぞれ良いとは言えず、ぎくしゃくした会話劇が繰り広げられますが、大きな事件があるわけではなく、どこにでもいそうな家族の情景が映し出されます。しかしこの日は一家の長男が事故死をした命日。その事故の原因となった若者も毎年線香をあげにやってくる。その若者に対して、何年経っても憎しみを消化できずにいる樹木希林さん演じる母親のとある一言が…胸につき刺さります。
樹木さんが何気なく発する言葉や目配りに、家族に対する複雑な感情が垣間見えて、同じく高齢の親がいる身としては、身につまされる思いがする作品です。
『誰も知らない』柳楽優弥
同じく是枝作品の名作。この作品を初めてご覧になった方、一様にびっくりしたと思うのですが、12歳の長男を演じた柳楽優弥さんの演技(これが初めての作品だったそうです。驚き)が自然というか、本当にその子どもにしか見えず胸が苦しくなります。カンヌ映画祭で史上最年少で男優賞を受賞、というのも納得です。
この作品には元になった実際の事件があり、日本にも親に育児放棄され過酷な状況で生きている子どもが実は大勢いる、ということを世に知らしめた作品です。そのような事件のニュースを見ても実際の状況がどの様なものか想像出来ない方が大部分ですよね。私も含め。映画という作品を通して目の前に現実を突きつけられる事は非常に意味のある事だと感じます。苦しくもありますが。
『櫂』緒形拳
宮尾登美子さんの自伝的小説が原作。何度かドラマ化もされておりますね。
高知を舞台にした女衒一家のお話。女衒を演じる緒形拳さんの迫力に色んな意味でシビレます。
男尊女卑の時代。しかも女衒です。女を食い物にしてなんぼの世界。妻(十朱幸代さん)を全く大事にしません!涙 むちゃくちゃ虐げられます。
妻は耐え忍びます‥。でもそこは高知の女。忍ぶだけではありません。男と女の激しいぶつかり合い。今の世では決してあり得ないですが、あそこまで激しく愛し、そして憎める人間と出会う事はある意味奇跡ですし、少しだけ羨ましくも感じます。
私、ほんと、緒形拳さん好きですね。色気すごい。(あと原田芳雄さんも好き)
結構激しい濡れ場もありますので、お子さんとは観ないでくださいませ笑
『幸せの黄色いハンカチ』高倉健
いやー、これはもう健さんカッコいい、の一言かも知れません。
北海道網走刑務所から出所したばかりの男を高倉健さんが演じます。偶然出会った若者2人(武田鉄矢さん、桃井かおりさん。この2人がまた面白い)と一緒に倍賞千恵子さん演じる妻の元へ向かうことになります。妻が今も1人でいて自分を待っているならば黄色いハンカチを庭先に出している…はずなのですが、健さんはそれを確かめに行くのが怖い。大きな身体で強面なのに、こと妻の話になると、臆病で繊細になる。そこがまた兎にも角にも渋くてカッコいい。
いや絶対待ってるだろ、と思いつつ3人の凸凹コンビが妻の待つ夕張まで車を走らせるロードムービーです。
『吉原炎上』西川峰子
ラストはこちら。五社英雄監督の傑作。明治末期の吉原遊廓が舞台。主演の名取裕子さんがまーーー綺麗。それだけでも見る価値あります。その他、かたせ梨乃さん、藤真利子さんなどたくさんの綺麗どころが華やかな遊女を演じている中、本作で何よりも語り草となっているのが西川峰子さんが真っ赤な布団部屋で半裸&半狂乱で叫び狂うシーン。いやはや・・忘れられません笑
マツコ・デラックスさんや友近さんなどもよくこの映画のお話をされると必ず触れていますよね。
おそらく長らく語り継がれる名シーンですので未見の方は是非。
あ、でも吉原が舞台ですからね。成人した方のみしか観られないシーンも多いのでそこはお忘れなく。
あー。なんだか長くなってしまいました。すみません。
日々慌ただしく過ごしていて、映画を観ることも減ってしまいましたが、またゆっくり映画鑑賞して心のリフレッシュをしたいものです。
皆さまの休日の良きお供になりそうな映画が見つかりましたら嬉しいです。
またいつか洋画、アジア映画も含めてお勧めを紹介させていただきます。


