映画「国宝」

映画

なんかもう遅きに失した感ありまくりですが、映画「国宝」について書かせていただきたい。
皆さんおっしゃる通り、3時間は結構あっという間でした。
トイレに行きたくなったらどうしよう…と思いながら行ったのですが、そんな心配無用でした。

まずは、映画「さらば、わが愛/覇王別姫」について。
「国宝」の監督李相日さんが昔「覇王別姫」を見て「こういう映画を撮りたい」と思って今回の「国宝」を撮ったとどこかでおっしゃっていました。
私は「覇王別姫」が大好きでして。こちらも3時間近い大作です。
京劇、同性愛、夫婦愛、アヘン、そして日中戦争と文化大革命。てんこ盛りです。
物語は主人公たちの幼い子ども時代から始まり、最終的に50年近い歳月が経過します。未見の方もいらっしゃると思いますので、多くは語りませんが、近代中国の歴史の流れも学べますし、女形を演じる主人公レスリー・チャンの筆舌に尽くしがたい美しさ、そして何より思いを寄せる相手であり京劇の相手役でもあるチャン・フォンイー演じる男役への激しく胸が詰まる思い、そしてそんな男性2人の間で苦しむことになるコン・リー(この方はほんっとうに美しい)演じるチャンの妻。
3人それぞれが歴史の渦の中で懸命に生き、行き着く先はどうなるのか、まだ見ていない方は是非とも一度ご覧いただきたい名作です。

結論から言いますと「覇王別姫」ほどの感動は「国宝」にはありませんでした。(ごめんなさい)
ですが、「覇王別姫」が近代中国の歴史を描いているのに対し、「国宝」は歌舞伎オンリーに焦点を当てて3時間魅せられる作品に仕上げたのはやはり監督の力量かなと感じました。
特にカメラワーク、ダイナミックで素晴らしかったですね。外国のカメラマンの方のようですが、よくよく歌舞伎を理解してから撮影に挑んだのだろうと推察します。監督の指示も的確なのでしょうね。

奈落から上がってくる場面、舞台上の役者からみた観客席、演じている手のクローズアップなど、見たことあるようで見たことのない撮り方をされていた印象です。

そして役者陣。主演の吉沢亮さん。彼の作品はドラマ、映画を何本か拝見したことがありますが、正直特に印象に残る俳優さんではありませんでした。(またもやごめんなさい)でもこの「国宝」は良かった。美しく、才能はあるが無鉄砲な若者が人間国宝になるまでを誠実に演じていらっしゃいました。吉沢さんの子ども時代を演じた方も素敵でしたね。


でも私が一番印象に残ったのは田中泯さんです。実は泯さんが出てらっしゃるので「国宝」を見に行ったところもあります。出番はそんなに多くないのに、目の運び、手の置き方、ひいては呼吸の仕方、歩き方で細かな感情を伝える演技、圧巻でした。
森七菜さんも後半部分の出演で、そんなに多くのセリフを話す役ではなかったですが、印象に残っています。


李監督の作品は「フラガール」始め良い作品が多いですすが、今回も苦労して丁寧に練り上げて作品に向かわれたのだろうな、と感じました。

ただ‥主人公喜久雄の出自が極道の息子である、という点。映画の中ではそんなに活かされていないように感じました。原作の小説だともっと長いストーリーがあるのでしょうね。
永瀬正敏さんの散り際が格好良かったからまあいいかな笑

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